1.生鮮品における取引電子化とは ~取引電子化の必要性~

(1)取引電子化とは

取引の電子化とは、取引に伴う種々の情報を電子化し、コンピュータ・ネットワークを用いてその電子化された情報を交換することにより取引を行うことです。

現在、生鮮品の取引に伴う情報交換(受発注等)は、電話や FAX、あるいは面談が主流であり、多大な労力と時間、コストが費やされています。また、交換された情報の自社内処理についても、人手を介して転記や集計等が行われています。

このような情報交換や一連の業務を省力化・効率化するためには、情報を電子化し再利用・継続利用できるようにするとともに、交換そのものをコンピュータ・ネットワークを用いて行う方法(取引電子化)が非常に有効です。

取引の電子化は、既に国内外の他業界で実際に利用されており、現在も導入をしようとする業界や企業・団体等が増えています。fig01

(2)生鮮品における取引電子化の必要性

近年の国際化や規制緩和、そして消費者ニーズの変化により、生鮮品の生産から流通の各段階を取り巻く環境は大きく変化し、また年々厳しさを増しつつあります。

このような厳しい環境を打開するためには、急速なスピードで発展している情報技術の積極的な利用により競争力や経営基盤の強化を図ることは、極めて有効な手段です。

fig02
その際、個別の企業・団体等の内部における取り組みではその効果に限界があります。また、取引に伴うデータ交換の電子化を個別企業・団体が独自に進めると、「多端末現象」が生じたり、情報化投資が割高なものとなる懸念があります。

そのため、企業・団体間における情報交換を標準化されたインフラ〔取引電子化インフラ〕を用いて電子化するとともに、当事者間の合意の下に情報を共有化することが重要であり、これにより流通全体で以下のような効果が期待できます。fig03

(3)取引電子化と取引電子化インフラ

生鮮品の取引を電子化することによって、「取引に伴う情報の流れをスムーズにし、流通全体のコスト削減を図る」ためには、これを支える電子化インフラの開発を行う必要があります。

<取引インフラの標準化>

fig04企業・団体間で使用される伝票類や商品番号等の取引インフラが関係者間で合意された「標準」であれば、どの取引相手とでもお互いに情報交換ができるとともに、取引先毎に異なる伝票を作成する手間やコストが削減されるなど、様々なメリットが生じます。

<取引インフラの電子化>

取引インフラは、標準化されることにより電子化の意義・可能性も大きくなります。
本構想では、取引を電子化するためのインフラ〔取引電子化インフラ〕の整備として、企業・団体間の取引を行う上で最も重要となる標準商品コード、EDI標準及び商品関連情報データベース・システム等の開発を提言します。fig05


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